GENESIS(Part I)





White Mountain




Steve HackettとPhil Collins加入前の作品にしてはなかなかの人気を誇るアルバム。
おそらく”The knife”が収録されているおかげなのでしょう。
でも他の曲もかなり高水準な割りに聴き易いというGenesisらしさが出ています。
むしろ”The knife”のみが突出していて 他は70年代のGenesisを象徴する
中世の宮廷音楽風サウンドになっていると言うことができると思います。
この曲でも宮廷音楽風サウンドが所々顔を覗かせていて
70年代のGenesisに聴きなれている人であればあまり古さを感じないのではないでしょうか。
Peter Gabrielの演劇的表現が”The knife”以外でも発揮されているなど
Genesisの原点を知る上でも聴き逃せません。

                                 (2009/5/26) <ところ>            



Trespass (1970)


The Musical Box/怪奇のオルゴール




フィル・コリンズが加入した3枚目のアルバム「怪奇骨董音楽箱」
トップに収録されている初期ジェネシスの代表曲であり、
ライヴでの重要なレパートリーであった。
ピーター・ガブリエルを中心とした初期ジェネシスは演劇的要素が
非常に強く怪奇ロック・バンドと呼ぶのがピッタリである。
ファンタジーな音をバックにいかにもイギリス的な怪奇なストーリーが展開していく。
「クリケットをしていた少女がそのスティックで男の子の頭を吹っ飛ばし、
その男の子の頭が2週間後にオルゴールの中から発見される」
といった歌詞はチト怖い。    <イアラ>

 
           
ジェネシスがバンドとして一つの形に固まったのがこのアルバム。
冒頭に収められたこの曲は初期の傑作といってよいでしょう。
一瞬チェンバロか?と思わせるイントロに続くのは
幽霊でも出そうなオルゴール風のメロディ。
そして少年を演じるピーター・ガブリエルのヴォーカル。
声色を微妙に使い分けるのがこの曲の肝。
フィル・コリンズも上手い人だとは思いますが、
ライヴを聞く限りではピーガブの雰囲気を出すのはやはり無理があるようです。
中盤以降はスティーヴ・ハケットのギターが光ります。
上品なだけでなく、時に荒々しく弾けるのが
前任者アンソニー・フィリップスとの違い。
最後は老人へと変わりゆく少年の叫びを歌うピーガブ。
シアトリカル・ロックとは?と問われたら真っ先に挙げたい一曲。

                                 (2010/6/23) <ところ>


Nursery Cryme (1971)


Time Table




フォックストロットとは社交ダンスの一つで、
かつて企業の社交ダンスサークルに所属していたウチの両親は踊れたらしい。
その社交ダンスに合わせた曲を収録したアルバム…という訳では勿論無く、
トニー・バンクスが使っていたメロトロンのテープセットに
フォックストロットが入っていたのが理由とのことだそうです。
そういえばジャケットに描かれた狐頭の女性は
社交ダンスの礼装っぽいですよね。
さて社交ダンスとは全く関係のなくSF風味の作品が多く入った中で、
中世的なメロディが一際美しいのがこの曲。
ゆったりとしたテンポに合わせて
ピーガブの凛々しいヴォーカルが流れます。
曲に合わせて表情を変えられるのがピーガブの真骨頂。
ダミ声なんて言わせません。

                                 (2010/6/23) <ところ> 


Get 'Em Out by Friday

バックが凄い哀メロしてるなぁ〜。
後半部分のボーカルも素晴らしい。なんだか芸術的。 <J>


Foxtrot (1972)


Dancing With the Moonlit Knight




まるで「ボヘミアン・ラプソディー」のような
(ってか、こっちのほうが早いんだけどー苦笑)
めまぐるしく変わる展開からラストへの盛り上がりは
さすがジェネシスだ!      <J>

私が初めて買った70年代ジェネシスのアルバムがこれ。
初期のアルバムの中では前作と人気を二分しているのではないかと思います。
個人的には音質の良いこちらが好み。
名曲揃いのアルバムの冒頭を飾るのがこの「月影の騎士」。
かつてはアルバムの邦題にもなっていました。
今までのアルバムでは凝ったイントロでスタートしていましたが、
ここではピーガブのヴォーカルのみで始まります。
"Time Table"と同じく凛々しいヴォーカルに痺れます。
抑制気味のバックの演奏が次第に熱を帯びたように
盛り上がっていく曲展開が巧み。
歌詞の内容は最終曲の"Aisle Of Plenty"へと繋がっていきます。

                                 (2010/6/23) <ところ>


Firth of Fifth

まるで日本人向けに作ったんじゃーないか?
と疑うほど、クサい泣きメロ満載。(笑)
私は正真正銘の日本人なので素直に感動させられます。 <J>

間奏が長いけど、ソロパートが充実してて、とても豪華な曲。

いきなり余談ですが、平成14年の1月にお台場のライヴハウスで
スティーヴ・ハケット観てきました(2日間)。
お台場価格って言うんでしょうか、確かグラスビールが\\800、
フライドポテト(一番安いツマミ)も\\800で少々ムカつきつつも
開演を待ちましたんよ。
メンバーはキーボードとフルートだけ。
フルートは実弟のジョン・ハケットで、
スティーヴはアコースティックのみという構成。
いやはや小さな会場なので、すぐ目の前で演奏している姿を拝んでまいりました。
で、何曲目かにFirth of Fifth(フルートソロのみ)がかかった途端、
一際大きな拍手が沸き起こりました。
ヲヰ、弟が一番でかい拍手受けちゃダメじゃん。
(とか言いつつオレもジワ〜っときましたけど。
 だってメドレーでいきなりくるもんだから...)
すっかり機嫌も直って、休憩時にもう一杯ビール注文しました。(笑)

あ〜でもね、この曲の最大の聴き所はやっぱりなんといっても、
ハケットの(泣きの)ギターソロなのだーっ!! <ゆーじ>


Selling England by the Pound (1973)


The Lamb Lies Down on Broadway

ジェネシス初の二枚組大作「The Lams Lies Down On Broadway」
(眩惑のブロードウェイ)タイトル曲。
この前年、ピンクフロイドはかの「狂気」を、
イエスは「海洋地形学の物語」を発表している。
とくにイエスの「海洋―」は二枚組、全4曲という内容をライブで
全曲演奏するという暴挙(?)に出て、
リック・ウェイクマンの(一時)脱退という結果を生み、
それに影響されてか同じくジェネシスもこのアルバムを
全曲演奏するという挙に出て、ご丁寧にピーターの脱退という
似たような結果を生んでしまいます。(苦笑)
まあそのお蔭でフィル・コリンズという本来のヱンターティメント性を持つ彼が
前面に出て、グループはよりメジャーになっていくわけですが。。。。
(フィルは演劇学校出身で決して人前に出るのは苦手ではないはずだが、
 驚くなかれ彼はピーターが抜けるまで「人前で歌いたいなんて思ったことはない。
 ドラムこそ最高のポジション」と語っている) <筑波のカエル>


Cuckoo Cocoon

このアルバムは一応全曲全員の共作となっていますが、
(作詞はほぼ全部ピーター)やはりそれでも各人の個性的な面は出るわけで、
この曲はもろにピーターとスティーブ・ハケットの牧歌的作風。
内容は主人公ラエルがブロードウェイの喧騒から離れて暗転。
すると白濁の薄明かりの中で暖かいカッコ−の繭(Cuckoo Cocoon)の
中のようなところにいることに気づく。
そこは洞窟か奇妙な暗室、あるいは母体から生まれようとする
卵の殻のなかのようで、平穏で、清浄、何も不安に思うこともなく
満ち足りた眠りにつく、というもの。
全篇独特の怪奇SF的世界が繰り広げられ(ある意味滑稽で理解不能)
これを全篇ライブでやったとは、、、と感嘆することしかり。
しかし、もしその映像が残っているなら観てみたい気がしますし(笑)
ピンク・フロイドの「ウォール」も映画化されたので(実際アルバムのインナーに
 載った物語を読んでウィリアム・フリードキンから映画原案に協力を頼まれたとか)
ピーターがジェネシスに在籍し続けていたらまた何かしら
違う話の発展があったのかもしれません。。。。 <筑波のカエル>


Counting Out Time

このアルバムのなかでは比較的ポップな曲調で
(Aメロはビージーズみたいである)(笑)
実際シングルカットもされています。
そのせいか最初に聴いたときはこの曲が一番耳に残りました。 
しかし内容はさすがジェネシス(というかピーター!)。
女の子とデートをするのにその道の大家の攻略ガイド本を
買ってきて、(笑)その順番をカウントしながら実行するというもの。
以下歌詞をそのまま。↓

"何も言わずに横になっていろ 僕がその気にさせてあげるから
性感帯よ お前を愛している お前なしで貧しい少年に何ができるだろう
1から6は軽く刺激して 7ゾーンでちょいと手こずる
あれこれの技を駆使しなくちゃ
11の向こうには楽園が待っているんだ
僕はカウントを取っている なのに何ともお粗末なこの内容
本によれば失敗するはずなどないのに
恋人を悲しませるとは思ってもいなかった
すぐに本屋へ行ってお金を返してもらおう
性感帯よ 答えておくれ お前なしで貧しい少年に何ができるだろう
人間の手が何の役に立つのだろう"


ピーターの実体験でしょうか? (笑)(笑)(笑) <筑波のカエル>


The Carpet Crawlers

"火の中へ駆け込んで破壊するサラマンダー
 爬虫類が赤褐色の廊下の床を埋める
 絨毯を這うもの達は訪問者に気を配る
 脱出するためには中に入らねば"

トニーのキーボードアルペジオが印象的に鳴り響き、当時はドラム職人だった
(笑)フィルの見事なシンコペーションが聴ける美しい曲。
この曲はなんとフィル脱退後に発表されたベスト盤に再録されます。
しかし断然こちらの方がいいですね。(苦笑) <筑波のカエル>


The Lamia

歌われているのは"池の精 ラミア"。
優しくて、不思議で、少し怖そうなジェネシスを堪能できる名曲です。
ちなみにこのアルバムのデザインはヒプノシスです。 <筑波のカエル>


The Lamb Lies Down on Broadway
(1974)  


Dance On A Volcano




90年代のライヴアルバム"The Way We Walk,Vol U"にも
冒頭に一部が収録されていたフィル時代の曲。
"Watcher Of The Skies"などのSF風味のイントロと
呪術的な光景を思わせる歌詞との組み合わせが新鮮。
フィル・コリンズのヴォーカルはまだ硬い、
というか軽い印象を受けます。
ピーガブとよく似ていると評されることが多いのですが、
やっぱり別物。
ただそれはフィルが下手ということを意味せず、
良い意味で別のバンドとして再スタートできたと感じます。
ヴォーカルパートに偏る必要がないので、
この曲でも間奏部は今までにない程勢いがあります。
その意味でフィル時代の到来を感じさせる一曲。

                                 (2010/6/23) <ところ> 


Mad Man Moon




こちらもフィル時代ならではの一曲。
ピーガブに無くてフィルに特有のものが声の甘さでしょう。
ロマンティックな曲を歌わせるとフィルのほうがしっくりといくのは、
本人の性格とその声質によるところが大きかったと思います。
可愛らしさと物哀しさを併せ持ったイントロに続いて流れる
フィルのヴォーカルはその声質を存分に生かしたものとなっています。
ヴォーカルに寄り添うようなバックの演奏も良い。
中盤以降はキーボードもテクニカルなドラムに引きずられるように
リズミカルな演奏を聞かせてくれます。
イントロをリプリーズするラストがニクイ

                                 (2010/6/23) <ところ> 


A Trick of the Tail

初期ジェネシスの音は暗かった。
また怪奇ロック・バンドを演じる彼らは不気味であった。(笑)
そんなイメージを被っていたのがピーター・ガブリエルであったが、
彼は方向性の違いからグループを脱退した。
ガブリエルが抜け期待と不安を入りまぜながら完成したのが同名アルバムであり、
この曲共々今後の方向性を決定したと言っても過言ではないだろう。
ビートルズを感じさせてくれるほどポップなこの曲は
ジェネシスをポップなロック・バンドへと導いた。 
ヒット・チャート上位に顔を出すようになるが
古くからのファンはこのあたりから彼らから離れていった。 <イアラ>


Trick of the Tail (1976)


One For The Vine




某サイトで「ジェネシスのベストソングは?」との企画があったとき、
私が投票したのがこの曲。
ピーガブ時代はやはり聴く人を選ぶところがあったのに対し、
フィル時代は万人にお薦めしやすい。
それでいてプログレ路線を外さない曲といえばこれしかない、
そう思っています。
フィルの甘めのヴォーカルとメンバーの演奏力が結実した作品です。

                                 (2010/6/23) <ところ> 


Dancing With the Moonlit Knight




1975年にGENESISの中心メンバーだったピーター・ガブリエルが辞めた時、
GENESISはもう終わった・・とファンだけでなく残されたメンバーも思ったとか。
でも、彼等はそれ以降も素晴らしいアルバムを作り続けた。
翌年に発表した「A TRICK OF THE TAIL」と「WIND & WUTHERING」は
メロディアスで幻想的なナンバーが一杯で、
もう言葉にならないほど僕は好きです。

この曲はアルバム「Wind & Wuthering」('76) に入っています。
冒頭のスティーブ・ハケットのアコースティック・ギターのソロ
(NHKの名曲アルバムに似合いそうだにゃ) 
フィル・コリンズの繊細なヴォーカル、
メルヘンチックだけど、どこか哀しいサウンドにシビれます☆
叙情派プログレ・バンドの異名を持つ
GENESISの隠れた名曲だと思いまふ♪    <marbeat>

「静寂の嵐」というアルバムは実はあまり好きではない。
従来のファンから罵声を浴びせられている"Follow You,Follow Me"と
"Your Own Special Way"や"Afterglow"がどう違うのか、
そんな疑問が付き纏ってしまっていて、
それほど評価できないというのが正直なところ。
ただ個々の曲は良いものがある。
この曲もフィル時代の哀メロとしてはかなり上位に数えられるものでしょう。
マービートさんのレビューにもある通り、
イントロのスティーヴの素朴なギターソロが素晴らしい。
この音を失ってジェネシスの魅力が半減したことは否めません。
歌メロに入るとその後のバンドを象徴するような
バラードになってしまうのが興味深い。

                                 (2010/6/23) <ところ>


Wind & Wuthering  (1976)


NEXT(Part II)



                   

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