Kingfish
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代表作のひとつである「グッド・オールド・ボーイズ」の中核を成す曲。 だいたいこの人の曲に出てくる登場人物はいろんな意味で 「どうしようもない」人達ばかりなのだけど、この曲もまた例外ではない。 この曲の主人公は大恐慌時代のアメリカ南部に 彗星のように現れた煽動政治家、ヒューイ・P・ロング。 「万民は王」というキャッチフレーズを掲げて 南部諸州の白人の貧困層の支持を受けてのし上がり、 大統領選に立候補した直後、暗殺された人物である。 この曲の前にはランディとバックを務めたイーグルスの面々とで、 当時のキャンペーン・ソング「万民は王」が歌われる。 そして曲中の名知事ヒューイは訴える。 「大企業のケツを叩いて社会のために金を出させたのは誰だ? 町中のプア・ホワイトを知事公邸のガーデン・パーティに招待したのは誰だ? ズボン吊りを下げ、地べたにしゃがもう。 大資本家の言うことなんか聞くもんか、 この土地は我々だけで治めてゆくのだ」 僕が持っているCDのライナーノートはジャズ評論家の野口久光さんが 担当していて僕は大好きだったのだけど、野口氏はこの曲はランディの 知事ヒューイへの賛美と強い共感だと考えているみたいだ。 しかし、本当にそうなのだろうか。 僕にはどうも、ランディはヒューイの放つ胡散臭さに 気づいていたように思えて仕方がない。 そして、同じようにそれに感づきながらも、それでもなお、 何かを期待してシュプレヒ・コールに手を上げてしまった人々の 情けなさと辛さがにじみ出てくると、なんともいえない気分になる。 そういった人々の宿業の狂い咲きを、オーケストラの奏でる美旋律が ゴージャスに縁取ってゆくのだ。 ランディの癖のある歌声の背後で、悪の華が咲き乱れ、散ってゆく。 ちょうど、夏の花火のように..哀れだ。 <fxhud402> |
Good Old Boys 1974年 |
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