Year of the Cat
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洋楽を聴くようになってもう20年近く(!!)になるけど、 その間にチラッと聴いてすごく好きになって、 でも誰のなんという歌なのかわからないまま今に至っている曲がいくつもある。 僕がCDの山に分け入っていく大きな理由のひとつがそれで、 極々たまにそんな曲がポッと見つかったりすると、 すごくうれしいのと同時にやり残した仕事をひとつ終えた気分になり、 もぅこんな難儀でお金のかかる趣味からは足を洗って、 もっと違うことに自分の時間を傾けようと思ったりする。 エイジア、セリア、ムーディーズ、ドクター・フック、REOスピードワゴン、 キャメオ、ソフィー&ピーターセン、ジョージ・デューク… 撃墜マークがひとつ付くたびに、「もぅこれで全部だ、引退しよう」と思う。 でも結局次の休みまでには、「あ、あの曲って…」と違う課題が頭をもたげてくるのだけど。 しかし、この年末に限っては異様だった。 かねてからの懸案が二つも解決してしまったのである。 そのひとつがこの曲だ。 もう記憶があやふやで、有線なのかラジオなのか、 どこのスピーカーからこの曲が流れてきたのかはわからない。 でも、この嫌が応にも耳を捉えるピアノとほんの雰囲気ばかりのヴォーカル、 そして流れるような分厚い音造りはまだロー・ティーンの僕の心を捉えて離さなかった。 そして数年ごとに偶然「再会」するたびに何の手がかりも残さず、 するりとこの手をすり抜けていったのである。 きっかけはひょんなことからやって来た。 その日、僕はさる年季の入ったレンタルビデオ屋(そう、Mr."中華ロック"ビッグの「甘美のハード・ロッカー」が置いてあるところだ)にいた。 その日の目的はリック・スプリングフィールドの「アメリカン・ガール」だったのだけど、 そのCDがまた、発売元のBMG JAPANがまだRVCという名前だった頃の大変古いもので、 まだこんなのが残ってたのか!とつい面白くなって、 もう一枚同じRVC盤のCDを借りることにした。 実際ジョン・デンバーとか蠍団とかいくつかあったのだけど、 その中から帯の色が大好きな黄土色のやつを選んだ。 あろうことか、それが「イヤー・オブ・ザ・キャット」だったのである(爆)。 なんと適当な。 その証拠に、借りてからもリックの方はちゃんと聴いたけど、アル・ステュアートの方はCD-Rにダビングしただけでつい最近まで放ったらかしにしていたのだ。 しかもその間に部屋を引っ越したりしたので、そのどさくさでしばらく行方不明になっていたりもしたのである。 その引越しにもまつわる個人的なゴタゴタが一段落したとき、ふと空いた時間に「なんで!?」というような所から出てきたこのCDをラジカセに入れてみることにした。雑誌のレビューで読んだとおり、ひとりのシンガー・ソングライターを素材とした、アラン・パーソンズ一流の職人芸が展開されていく…。 そして三十数分後、それはやって来た。 涙は出なかった。 ただ、この曲に初めて出会ってからの約20年間がぐるっとひと回りして この曲でつながった、そんな気がした。 CD-Rを焼くときに出るメッセージが脳裏をよぎる。 「ディスクを閉じています…」 気がつくと、言葉が口を突いて出ていた。 「もぅ、潮時かなぁ…。」 へべし(つづく)。 <fxhud402> |
Year of the Cat (1976) |
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