Sweet Dreams
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はぢめに。 いわゆる「音楽通」になればなるほど疎遠になるタイプのアーティストがいる。 古くはバンザイやバナナラマ、現在ではいわゆるトランス(パラパラ)や ジャケットの女の子のビジュアルだけで売れているレゲエの編集盤とかがそうなるだろうか。 しかし、そういったダンス・ミュージックの系譜とはまた別の次元に、 忘れてはいけない大御所がいることを見逃すわけにはいかない。 誰あろう、その名は‥‥。 エア・サプライ! そう、歴代のアルバムのそのどれもが同じ(ような)ジャケットに同じ(ような)曲、 よーく聴くと詞も使い回してたりして‥‥。 とにもかくにも必殺の、ロマンティックなメロディとアレンジ、 そしてラッセル・ヒッチコックのハイトーンですべてを納得させはや30年‥ ‥ひょっとするとこれって、青い目のムード歌謡? そりゃマニアに嫌われるわ。 この哀メロ天国がスタートしてからかれこれ五年、 今の今までひとつも投稿がなかったというのもわかる。 恐らく歴々の哀メロ隊員にとって彼等の存在は、触れてはならぬパンドラの箱であり、 見てはならないゴルゴンの首なのだ。 ‥‥しかしっ、もう遅い。私はもう手をかけてしまった! 禁断の扉が、いま開かれる‥‥南無三っ!! ‥‥という大げさなだけの冗談はともかくとして。 何かにつけ軟派なイメージで軽く見られがちな彼らではあるが、 その賛否はともかく徹底したイメージ商品として、 そのバンド名通り「80年代の空気」を供給し続けた功績は図り知れない。 ここ数年はさすがに年齢相応の落ち着いた作風になっているが、 古道具屋で一山いくらで埃をかぶっている、青い空と海をバックに 何かが飛んだり浮いたりしているあのLPの数々こそが、その動かぬ証拠なのだ。 そんな中でも僕が最高傑作だと思っているのが、世界デビューして2作目のアルバム "The one that you love(邦題「シーサイド・ラブ」)"。 通称「気球」である。 本作の特徴は、アルバムのA面とB面とで明確に作風が分けられていることだ。 A面はさんさんと太陽が照る昼、そしてB面は恋人が愛を囁く夜だ。 その冒頭に収められているのが本曲なのである。 恐らく、彼らの曲の中でもここまでストリングスが前面に出た曲はないんじゃなかろうか。 まるでELOのようである。 それとラッセルとグラハムのヴォーカルとの掛け合いが、 いやが上にもドラマティックな夜の訪れを告げる。 彼らの夜は最初からクライマックスなのだ‥ ‥確かにこれじゃマニア受けは無理だな(汗)。 余談だが、本作のジャケット裏のメンバーの中に、 明らかに往年の紳助・竜介のコスプレをしている人間がいる(ギタリストのデヴィッド・モイズ)。 ここら辺に、彼らが多くの人に愛された秘密があるような気がする。 <fxhud402> |
The One That You Love (1981) |
Making Love Out of Nothing at All/渚の誓い
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そんな彼らとジム・スタインマンが組むのは歴史上の必然だったのかもしれない。 そうして生まれたのがこの不滅の名曲である。 しかし両者のコラボはこの一曲だけで、アルバム製作までには至らなかった。 音楽以外の面でうまく行かなかったのかもしれないが、そうでなくてもなんとなくわかる。 アルバムの印象がくどくなるのを恐れたのだろう。 もちろん今でもコンサートの最後はこの曲だ。 ラッセルは昔のような高音は出ないものの、自信を持って地声で歌い、 会場を走り回ってロックしている。 一方、ジムの愛弟子ボニー・タイラーによるカヴァーも素晴らしいらしい。 やはり名曲は名曲なのだ。あの間抜けなPVを除けば‥‥。 をわりに。 僕が始めてここにアクセスした頃、よく使っていたネットカフェで エンドレスで流れていたのが彼らのベスト盤でした。 そして、ここを知って最初に心に引っかかった哀メロがこの二曲なのです。 哀メロ天国のこれまでとこれからに、この投稿を捧げます。 <fxhud402> |
Making Love ... The Very Best of Air Supply (1983) |
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